春が来た

春の陽気に誘われて庭へ出る…モクレンが満開のようだ。D750=完全逆光でも粘る。

ユスラウメ...満開に近い。陽気と日照により急に開花してきた。

気分が良くなって、夕刻そのまま近所へ出かけた。花の咲く植物だけではなく、針葉樹も新緑の葉が出てくる。稲植神社鳥居前で。

この神社名物の早咲きのヤマツツジ、やはり満開だ。

こちらは牛頭天王、角度によるのだがちょっと空を向いているように撮る…こちらは鼻。

神社には照葉樹と決まったようなものだが、ここでは周りが里山なので色々な落葉樹も立っている。

これも神社の名物の社務所前のシダレザクラ、長く咲き続けるので花はこれからだ(例年より花芽の数が少ない)…もう山の日が陰ったのでシンクロ撮影。

帰りの道で畑の畦道に入り込む...草も一斉に茎を伸ばし、その先に花をつけている。夕陽を浴びて輝いている(その感動が写せない=何十年写真をやっても「まだまだ」と思う)。

このボディ・レンズ共に「よく写る」。次の本年度最後の離島旅にはこれを持っていくかも知れない(雨模様ならもっと小型で防滴のOLYMPUS E-P5)。

 

沼島 4

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連絡船待合所の裏に小高い、しかし小さな丘があり、そこに航海神・弁財天神社が鎮座している。両側に石垣が組んであり、元は浜の出っぱりに人工的に造られたものだろう。左右に港と街並みが広がる。

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丘に上がると狭い境内があり、社がふたつと小さな本殿がある。ここは津波の避難所にも指定されている。

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最初にも紹介した御神木、潮風にさらされるため杉やイチョウではなく、塩害に強い黒松の大木である。向こうはかなり広い港湾施設である=もちろん埋立で、往事はこの弁天山の下まで浜が迫っていたのだろう。

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御神木の木肌…ちゃんと管理されている。これも文化財なのである。

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本殿から下る階段、浜に沿って漁村が並んでいる。表は多くが民宿や海産物加工場で、居宅は1本2本入った場所にある。ずいぶん大きな旅館もあり、夏の海水浴や名物の「はも料理」で人の往来は多くなる。これから街中に入っていく。

 

OLYMPUS E-PM1 & LUMIX G VARIO12-32mmF3.5-5.6

OLYMPUS PEN mini E-PM1

LUMIX G VARIO 12-32mm

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今日は天気も良いので(きのうは寒かった)久々にm4/3のカメラを取りだしてテストしてみた。その中でも最小型クラスのOLYMPUS E-PM1だ(2011年発売/こんなに古く小さくてもボディ内手振れ補正機構が付いている)極端に薄く作っているので、フランジバックを稼ぐためにマウント部がかなり前に出ている…車で行くときは、ほとんど使わないとしてもメインカメラとは別に1台カメラが欲しいので「小型カメラ」なのである。先日はSONY RX100を持っていって実際に使用した。このOLYMPUS E-PM1が小型過ぎるのでレンズが大きく見えるが、m4/3中で最小型軽量ズームなのである。EVFは脱着式なので実際は外して撮ることになるだろう。

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12mmで(24mm画角)、絞り開放F3.5、AWBはやや赤味がある。周辺は多少甘さがあるがF5.6程度で解消する。ただしF11にすると回折の影響でエッヂが丸くなる。

中央部を切り出すと、普通の使用上充分な画質と思われる。その代わり絞っても良像範囲が広がるだけで、中央部がめざましく良くなることはない。ふだんフルフレーム35mm判を使っている私としては考えさせられることである(つまりは実用上大差ない)。もともと4/3→m4/3→フルフレーム35mm判と進んできた経緯で4/3・m4/3のボディ・レンズは未だに多く持っているので(2年前に捨て値になった4/3ボディ&レンズを大量に買った)完成度の高さ=レンズ設計の有利さ(小口径でも明るく+テレセントリック特性が良い)、レンズ・ボディ共に小型にできるなど…また見直したい。

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望遠側(64mm画角)ではワイド側より更に良好。絞り開放F5.6で中央の木を撮った。絞りF5.6となると焦点距離の短さもあって望遠でもピントの合う範囲は広い。

中央を切り出す…非の付けどころがない。安心して開放から使えるレンズだ。ただし絞ってもほとんど変わらないので、深度を利用したF8程度で撮るのが良さそうだ。

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更に32mm絞り開放F5.6で建物にピントを合わせて撮ってみる。やはりピントと言い、コントラストと言い良く写せていると思う。ワイド・望遠共に周辺光量落ちも見受けられない。

その画像の周辺部を切り出した。これだけでこのレンズの性能のすべてが語られている。大伸ばしをしない限りこれで充分である。更に最近のLUMIXOLYMPUSのボディ・レンズは進化しているようで、私は私の写真ワークショップの受講生や知り合いのアマチュアには、買い替えの質問を受けたときに上記の理由でm4/3を勧めている。私自身はLUMIX GX8+Leica DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0で止まったままだが…。

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TTartisan 28mmF5.6 Vs. summaron 28mmF5.6

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両者の口径が違うので、summaron 28mmF5.6(通称"赤ズマロン")に34-37mmステップアップリングを入れて、その前に37mmフィルターを付け、そこにTTartisan 28mmF5.6用のフードを取り付ける実験をした。ホンモノは極端に高価なのである。さいわい矛盾なく取り付けられ、ケラれもなかった。ただしTTartisan 28mmF5.6のフード単体販売はしていない。

そこで今日はTTartisan 28mmF5.6/summaron 28mmF5.6の比較テストをしてみた。

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どちらも絞りは開放F5.6/ボディはLeica M Typ262で28mmF5.6ポジションである。この大きさで見ても分かるように上のTTartisan 28mmF5.6の方がコントラストも高く良い結果である。60年以上前のレンズと最新のレンズを比べるのは酷だが、いかに中国製の安価なレンズが技術的に迫ってきたかが分かるのである。下のsummaron 28mmF5.6は周辺光量が落ちているし、その部分はピントも甘い。そして春霞の影響もあるが多少ハイライトがハレている。

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上の両画像の周辺を切り出すとその差が歴然と出ている。下がsummaron 28mmF5.6。

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絞り開放F5.6の中央付近の切り出し…summaron 28mmF5.6のハレ以外はほとんど同じである。絞っていけばコントラスト以外はほとんど同じで、どちらが良いとは言えないが、全体的な性能ではTTartisan 28mmF5.6の勝ちである。あとは近接時の立体感を見てみないといけない。現実の撮影ではこのような風景写真のように撮るわけではないからである。summaron 28mmF5.6、踏みとどまれるか?

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沼島 3

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さて上陸、乗った船がpm1:50と中途半端な時間だったからか、乗客は朝から淡路島本島へ行っていた島民の人が4割、釣り人も含む観光客が5割、郵便局や工事関係者など仕事の人が1割といったところだ。向こうは離島としては立派な待合所。

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待合所に入ろうとすると(このような場所も記録せねばならない)「切符くわえ禁止」という珍しい標語が貼っていた…トイレの前である=もちろんコロナ対策の一環なのである。もうひとつは全国の離島連絡船のすべて(経験の範囲内で)が交通系カードは使えず、待合所か船内で切符を買うことになっている。切符販売機の導入も進んではいるものの、やはり「切符を買う」のである(国交省の規則があるのだろうか?)。

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待合室は広くて快適だ。店ではないが名産品の展示や島の観光案内図などがある。画面左端に「洲本」と書いた板が見えているが、それはかつて淡路島の中心地・洲本までの航路があった時の銘板である…2016年に廃止となった。残念ながらその連絡船には乗っていない。

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郵便物は連絡船に積まれて島に運ばれ、ここで郵便カブに載せ替えられて島中に配達される。フェリーはない。

沼島へ 2

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淡路島側の土生港で…船の時間待ちで持参のおにぎりを食べつつ景色を眺める。淡路島の南岸はほとんど集落がない。土生も海に面した家はほとんどなく細い川の奥に家並みがある。と言うのも向こうに見える海蝕崖のような断崖絶壁が続いているからである。単に南からの風波による海蝕というだけではなく、ここが中央構造線のまさに断面だからである。近づくて見ると岩山ではあっても地層はクシャクシャに折れ曲がり、大きな圧力を受けてどこまでも破砕帯が続いているのである。以前にフォッサマグナをテーマに取材を1年間したことがあるが、いずれ比較的近くもあるし中央構造線の旅も行いたいと思う。

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さて出発、波頭を蹴ってと言いたいところだが、連絡船にはオープンデッキがなく窓からの四国方面を見た写真…近い距離なのだが春霞のため晴れているのに何も見えない。わずか10分の航海である。

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昼間はおおむね1時間ごとに連絡船は出ている(これは例外的に便利)が、人の乗り降りは比較的多い。土生港の駐車場の整備も良いせいか、島歩きの観光客や釣り人、人口が減ったとは言ってもまだ2000人以上住んでいる島民。なんとか漁業での生業は成立しているようだ。

 

NIKKOR 35mmF2.5 Vs. Voigtlander CS35mmF2.5P-II

忙中、意外な組み合わせのテスト。

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今回は新旧のLeicaマウントレンズを試してみた(ボディは例によってLeica M-E Typ220/AWB/)。まずは歴史的に評価の高いNIKKOR 35mmF2.5(表記は3.5cm)である。絞り開放F2.5-4までは中央を除いてかなり甘く現在のレンズとは比べられないため、F4.5で整ってきた絵を上げてみた…この段階でも周辺や遠景は多少心もとない描写だが、これで使える範疇の画像である。そこからF5.6-8-11と絞るに従い画質は良くなっていく。つまりF5.6以上で撮る分にはそれほど現代レンズに劣後せず、それでいて収差をレンズだけで取り、コントラストより解像力を重んじた時代のオールドレンズの味が楽しめるだろう。elmar3.5cmF3.5やsummaron3.5cmF3.5(前期)より良い絵を造ると思われる。下は上の画像の切り出し。充分な解像である。

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横ネジ止め式アダプターを介して39mm径とし、外品フードとフィルターを装着した。ノーマルの場合A36口径だが34mmのネジが切っていなくてレンズ前玉の周りにネジが切ってある。これが25mmぐらいで純正以外では売っていないため(純正でも見たことがない)このような大袈裟なことになった。

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f:id:xnagy:20220316165239j:plain実際には右のsummaron3.5cmF3.5(前期)と同じぐらいの小型レンズである。NIKKOR 35mmF2.5 この解説はニコンS用のレンズだが、Lマウントのレンズも同じレンズ構成で造っていた。フィルム時代末のニコノス用のレンズとして改良を加えられながら製造された超ロングランレンズである(1952年製造開始)。

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次は現代レンズであるVoigtlander CS35mmF2.5P-IIの同じ条件でのテストだ。やはりF4.5に合わせている。コントラストや切れ味は断然こちらが良いのだが詳細に見ると(特にF5.6以上)それほど解像線に違いは見られない。もちろんF2.5-4の間は文句なくCS35mmの方が上である(周辺に怪しさはあるものの開放から問題なし)。下の切り出し画像を比べてもNIKKOR 35mmはまったく劣らないことも分かる。たいていの古いレンズ(先日からしばしば登場)もF5.6あたりからなら実用になるし、オールドファッションな味も出せそうだ…ゲージツ写真ならなおさら「使える」ことは請けあいだ。

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フルオリジナルのVoigtlander CS35mmF2.5P-II...レンズ構成は更に安価なVoigtlander CS35mmF2.5PやSと同じらしいので(コーティングは改良されている)その立場がやや微妙となる。このレンズは現行品だ。

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Voigtlander CS-35mm F2.5

NIKKOR Z 40mmF2

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さて今日は天気がよいので一昨日やって来たNIKKOR Z 40mmF2についてテストしてみた。

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結果は先日のCanon RF35mm /F1.8MCと同様、素晴らしい性能を発揮した。絞り開放F2から全面にピントが来て、絞っていくと更に良い像になる…周辺光量の不足はF2.8で解消する。NIKKOR Z 28mmF2.8 SEと共に、まったく驚異の「撒き餌レンズ」(この言葉は良くないので今後は使わない)である。あまり使わない画角だが、先般のAVENON 28mmF3.5L+EPSON R-D1xと同じで練習すれば準広角なのだから使えるようになるだろう。ほとんどプラスチックなので「質感・耐久性」を重視する人には勧められないが、いずれ引退を考えている私には軽くて小型のレンズがありがたいのである。

下は上の切り出し。開放でこれである…F5.6程度になると目がチリチリするようなピントになる。

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こちらは無限遠、絞り開放での画像…やはり周辺光量は落ちているがピントそのものは来ている。春霞がかかっているので、本来の性能が見られないが、その部分をどけて想像して欲しい。

上の切り出し画像…無限遠開放というのもレンズにとって過酷な条件なのである。ハレ気味なのは春霞のせいである。

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NIKKOR Z 40mm f/2

沼島へ

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二日間延期した日帰り離島旅(毎週)で、今日は淡路島のすぐ南の沼島へ行った。数年ぶり3回目の訪問である。淡路島側の土生港、以前に比べて観光客や釣り人、色々な業種の職人さん、また郵便配達が連絡船から降りてくる。観光客は比較的若い人が多く、泊まりがけで来ている家族連れなども見られた。フェリーはないが乗客の多さもあって連絡船の便数は多い。

沼島に着いて、港に鎮座する弁天社(ここでは神である)が航海の無事を守っている。ここから町の海側が大部分見渡せる。境内には文化財指定の神木の大松がデンと天を突く。

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今回はCanon 6Dとフィルム時代(1993年発売)の名レンズであるCanon EF20-35mm/F3.5-4.5だけで撮影に就いた…離島の町に入ると、これくらいの画角が最も適しているのと、最高画質は現代レンズに及ばないがレンズだけで大部分の収差を取っているために使いやすいのである。そして小型軽量…バッテリーフル充電1個で789カット撮ったが、バッテリーは70%の残量で、これはミラーレスは敵わない…OVFの見え具合といい、久しぶりに使ってみて大満足である。

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EF20-35mm F3.5-4.5 USM

Canon RF35mm /F1.8MC-2

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さて簡単テストの結果である…ボディはCanon RP/ISO100/AWB/絞りはF2.8/晴=春霞。

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中央部切り出し…絞り開放から全画面にピントが来て、過去にテストしたF2クラスのAFレンズで最高の画質を出した。絞り開放の絵を出さなかったのはピントが薄すぎて、全体の合焦が分からないせいである。

こちらは周辺部、多少のピントの外れはあるが(深度の少し外)、これもここに合わせれば更にシャープになる。あとは絞ってもピントが深くなるだけで変化は少ない。画素数の多いボディが欲しくなるようなレンズである。前回書いたようにマクロレンズとしては減点があるが、近接もできる35mmの明るいレンズと考えれば最高のレンズと考えられる。今はCanon RPと24-105mmSTM.16mm.35mmだけで、α7系やNikon Z系と使い分けている現状だが、今後のCanon R系のボディ・レンズの動向は気になるところだ...Canonの絵造りが好みなのだが、今ひとつ後続ボディの操作性などが気に入らないのである(R3は良好、しかし大きすぎる)。

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