NIKKOR 35mmF2.5 Vs. Voigtlander CS35mmF2.5P-II

忙中、意外な組み合わせのテスト。

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今回は新旧のLeicaマウントレンズを試してみた(ボディは例によってLeica M-E Typ220/AWB/)。まずは歴史的に評価の高いNIKKOR 35mmF2.5(表記は3.5cm)である。絞り開放F2.5-4までは中央を除いてかなり甘く現在のレンズとは比べられないため、F4.5で整ってきた絵を上げてみた…この段階でも周辺や遠景は多少心もとない描写だが、これで使える範疇の画像である。そこからF5.6-8-11と絞るに従い画質は良くなっていく。つまりF5.6以上で撮る分にはそれほど現代レンズに劣後せず、それでいて収差をレンズだけで取り、コントラストより解像力を重んじた時代のオールドレンズの味が楽しめるだろう。elmar3.5cmF3.5やsummaron3.5cmF3.5(前期)より良い絵を造ると思われる。下は上の画像の切り出し。充分な解像である。

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横ネジ止め式アダプターを介して39mm径とし、外品フードとフィルターを装着した。ノーマルの場合A36口径だが34mmのネジが切っていなくてレンズ前玉の周りにネジが切ってある。これが25mmぐらいで純正以外では売っていないため(純正でも見たことがない)このような大袈裟なことになった。

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f:id:xnagy:20220316165239j:plain実際には右のsummaron3.5cmF3.5(前期)と同じぐらいの小型レンズである。NIKKOR 35mmF2.5 この解説はニコンS用のレンズだが、Lマウントのレンズも同じレンズ構成で造っていた。フィルム時代末のニコノス用のレンズとして改良を加えられながら製造された超ロングランレンズである(1952年製造開始)。

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次は現代レンズであるVoigtlander CS35mmF2.5P-IIの同じ条件でのテストだ。やはりF4.5に合わせている。コントラストや切れ味は断然こちらが良いのだが詳細に見ると(特にF5.6以上)それほど解像線に違いは見られない。もちろんF2.5-4の間は文句なくCS35mmの方が上である(周辺に怪しさはあるものの開放から問題なし)。下の切り出し画像を比べてもNIKKOR 35mmはまったく劣らないことも分かる。たいていの古いレンズ(先日からしばしば登場)もF5.6あたりからなら実用になるし、オールドファッションな味も出せそうだ…ゲージツ写真ならなおさら「使える」ことは請けあいだ。

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フルオリジナルのVoigtlander CS35mmF2.5P-II...レンズ構成は更に安価なVoigtlander CS35mmF2.5PやSと同じらしいので(コーティングは改良されている)その立場がやや微妙となる。このレンズは現行品だ。

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Voigtlander CS-35mm F2.5