淡路島側の土生港で…船の時間待ちで持参のおにぎりを食べつつ景色を眺める。淡路島の南岸はほとんど集落がない。土生も海に面した家はほとんどなく細い川の奥に家並みがある。と言うのも向こうに見える海蝕崖のような断崖絶壁が続いているからである。単に南からの風波による海蝕というだけではなく、ここが中央構造線のまさに断面だからである。近づくて見ると岩山ではあっても地層はクシャクシャに折れ曲がり、大きな圧力を受けてどこまでも破砕帯が続いているのである。以前にフォッサマグナをテーマに取材を1年間したことがあるが、いずれ比較的近くもあるし中央構造線の旅も行いたいと思う。
さて出発、波頭を蹴ってと言いたいところだが、連絡船にはオープンデッキがなく窓からの四国方面を見た写真…近い距離なのだが春霞のため晴れているのに何も見えない。わずか10分の航海である。
昼間はおおむね1時間ごとに連絡船は出ている(これは例外的に便利)が、人の乗り降りは比較的多い。土生港の駐車場の整備も良いせいか、島歩きの観光客や釣り人、人口が減ったとは言ってもまだ2000人以上住んでいる島民。なんとか漁業での生業は成立しているようだ。