南稲八妻を歩く ①

他の写真散歩が終わらないうちに次の①だ...時間軸はバラバラだが、読み進めればいずれ到達するだろう。曇り空の午後歩く...summaron 35mmF3.5は画像の安定するF5.6ですべてを撮影した。

地区の外れのお寺横の空き地に車を停めて歩き始めた(暑いので1時間程度)。お寺は木々に囲まれている。このようなシーンもsummaron 35mmF3.5はelmar 35mmF3.5と同様苦手(周辺が甘くなる)なのだが、これは少し立体的なので周辺の収差ボケが深度ボケと合わさって軟らかさが出ている。写真散歩は私の写真の練習でもあり、同時にレンズやボディの実験でもある。

今回は廃屋・空き家巡りとなった...元のお屋敷(広大だ)の立派な塀、立派なので塀は痛みが小さく(塀が高いので中は見えない)無住とは思わなかったが電気のメーターは取り外されていた。elmar 35mmF3.5よりヌケが悪いため、全体にトロンとした絵となってしまう。

地区の檀家寺の蓮台寺、無住ではないが人の気配はない。草木の剪定もなされていない。

上の塀の坂を下る。なぜか金色のカーブミラーがあり、そこから向こうが集落の中心部だ。

ここの集落はこのような標語や看板が多い。注意事項の多いムラなのである。相変わらず道は狭い。

こちらも空き家=廃屋と云うほどではないが無住である。たぶん時々帰ってきて掃除などをするのだろう。

そして以前にも見せたミニ開発の小さな家が3-4軒ばかり分譲に出されている。不便なのと旧村の真ん中のために1軒しか売れていない。このような場所はよそ者にとって圧力を感じるものなのである。

そしてまた標語と廃屋。空き家が増えるとコソ泥も増えるらしい。

元はタバコ屋兼雑貨店だったようだ。ここは放棄されてから長く、縁者も来ていないように思われる。

元商店の全景...ツタに飲み込まれつつある。もう時間の問題だろう。

更に歩くとムラの出口あたりに廃屋が数件あった。ここは比較的最近無住になったようで植栽は伸び放題だが建物が飲み込まれるほどにはなっていない。

歩くうちにムラを寺の反対側に抜けた。村はずれの駅へ向かう道に面して地蔵堂が建っていて、鍵が二重にかかっていた、やはり警戒心の強いムラである。

ふとお堂の横を見ると、いままで気が付かなかった古い五輪塔と力石があった。五輪塔と言えば墓なので昔の偉人がいたものと思われる(ここに埋葬されているのではない)。

ムラの公民館、開発でムラ持ちの溜池が売れたため、そのお金で立派な建物ができた。もとは児童公園で小さな集会所と遊具などがあった。その時の遺物は正面の桜の木である。そして広い駐車場は鍵がかかっていて地区の人しか停められない。これもこの地区に限ったことで排他性が高く、その理由を知りたいものだ。見てのとおりsummaron 35mmF3.5もこのような写真の場合、役をこなせることが分かった...いままでピントの細かさにこだわって古式のレンズはコレクション程度に考えていたが、それは間違いだとelmar 35mmF3.5と共に思った(F5.6-F11に絞ることが条件)。