TOURIST M5.6/28mmで隣村へ

さて先日の午後、暑い中を近所散歩に出かけた...もちろんTOURIST M5.6/28mmの実地テストが主たる目的だ。ボディは珍しくLeica M Typ262、ISO100/F5.6-8にて撮影。

田植えから約1ヶ月、稲も順調に育っている...まだまだこの付近では農業は盛んである。向こうの森はすでに奈良県だ。この程度の逆光ならまったく問題ない。コントラストが低いため、なんとなく甘く見えるが実際は細かくピントが来ている。 村中に入って旧街道を歩く。普段は集会所に停めるのだが、ムラの西側を見たかったために車は防災倉庫の駐車スペースに置いた。河岸段丘の最上段である。それらしく東西に道は伸びている。

すぐに村はずれに着いてしまう。この分かれ道は重要...左は今来た旧街道、一段下がったところが(カーブミラーがある)旧の国道163号線、その向こうに今の163号線がある。村はずれで道は1本になっている。三段の河岸段丘がよく分かる場所だ。

やはり廃屋や耕作放棄地はある。河岸段丘の上は急斜面の山が迫り、家々は高い場所まで続いている。

また旧街道を戻る...なにに使われていたか分からない大きな建物があった。立てかけられた板はなんだろう。

ひょいと覗くと玉ねぎが吊るされていた。そういえば今が収穫の季節だ。

また街区の切れ目に来た...中央の建物(たぶん元旅館)の前の道が旧街道、その向こうが旧163号線、その向こうの崖下に現163号線が走っている。

旧163号線に出てみると耕作放棄地があって、シオン系の野草が咲いていた。これもこの画像では分からないが近接1mぐらいで細かなピントが得られている。そして向こうの草原のボケ具合も好ましい。

少し下がって外を写す...草原の向こうは現163号線、しかし重機の見えているあたりに次の新163号線の工事が始まっている。隣村では163号線バイパス道路はほぼ完成している。この地域では東西に抜ける道路が少ないため拡張整備工事が進んでいるのである。もちろん高速道路はない。

旧163号線をさらに歩く、今は国道ではないため静かなものである。ここが国道だった頃の通学路の標識が残っていた。地区には学校はなく、何キロも国道を歩いて隣の更に隣のムラまで通っていたのである。

また旧街道との追分けに来た...このように旧163号線は旧街道の一部を利用しながら木津方面に向かっていったのである。

さて旧街道に戻る...その昔旅籠だったらしい(これは私の推測)大きな建物を横に見ながら歩く。エアコン室外機はあるが動いていない(カビだらけ)。使命を終えて今はもう無住である。50年前から見ているが、今は新興住宅地や学研都市ができて人の往来発着は盛んだが、昔は生駒市の田原を過ぎると山田川まで茫漠とした竹藪と田んぼの続く寂しい場所だった。歴史的研究はなされていないが、ここに小規模な宿場があってもおかしくない。ㇾンズは解像力抜群だ。

更に横道に入ってみると、もうそこは地道で昔のままである。ここで暑さでこれ以上は断念(普段はムラ中を1時間歩く)、30分の旅であった。TOURIST M5.6/28mmは確定的で、性能はもちろんコントラストの低さを利用した撮り方も可能だ。個性は弱点にも利点にもなる。TOURIST M5.6/28mm・7Artisans 28mmF5.6・TTartisan 28mmF5.6は3本とも個性が異なり、面白い小型28mmㇾンズ群となった=性能的には赤ズマロン(summaron 28mmF5.6)を超えているが、個性という点で赤ズマロンも含めて良いだろう。