Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5

回転ヘリコイド、鏡胴先端が絞りリングという構造である。このシュタインハイルのマウント基部には「Made in Germany US Zone」と刻印されており、占領下の西ドイツ(ミュンヘン)で生産されたことが分かる(このレンズはあまり知られていないがレアなものである)。1945-50の間に生産されたレンズで、コーテッド4枚構成のトポゴンタイプ。フィルターはなぜかズミタール用の特殊な物がピッタリ合う。

フィルム時代にもテストして「時代を考慮すると優秀」だったが、デジタルカメラでもテストしてみたら、やはり優秀さが分かった。暗いが絞り開放F4.5で画質は整っている。周辺減光はF5.6半で消える。

上の切り出し...まず問題はない。周辺部も比較的良好=同時代のelmar 35mmF3.5より良い。あと絞るとF8で現代レンズと大差なくなる。

1m/F5.6の撮影...ここでもバランスは良くてコントラストが低いため白が飛びにくい。

上の切り出し...風で少しブレている部分もあるが、近接による収差は出ていない(古い時代のレンズは近接すると収差が出やすい)。

やはり1m/F5.6(このレンズは1mが最近接)で撮影。記憶色が出ている。

上の切り出し...ピントも距離計どおりに合っている。

逆光にはこの時代のレンズとしてはかなり強い方の部類だ(レンズの構成枚数が少ない)。通常のばあいはフレアなどは出ない。ここでは無理に南中近くの太陽を入れてみたら少しだけゴーストが出た。結論的には充分使えるということになる。フィルム時代は暗いので使いにくかったが感度ゲインのできるデジタルカメラなら実用となるだろう。