町の最奥

竹藪を回ると峠の近くに出てくる。古風な家も何軒か建っていた(廃屋ではない)。

土手の道の向こうは溜池だ。大きな川のない付近では溜池は農業にかかせず、今も管理されている。山の向こうはすぐに奈良県生駒市高山地区である。

土手道(大阪・奈良・京都を結ぶ重要街道)の反対側にも溜池があり、池の周りには花が一面に植えられている。峠の最高部にも何軒かの家が建っていて、我が町の最奥の集落である。

その中の一軒は大きな材木店で、今は細々と営業を続けているだけだが、その昔は林業も盛んだったのだろう。

「貸土地」の看板も色褪せている。ここは重要街道ではあったにせよ、現在は狭い道と深い山に阻まれた不便な場所になってしまったのである。

そして材木置き場の端にバス停の跡が立っている。現在はバスは廃線となり、代わりにどこでも手を上げれば止まってくれるデマンドバスが日に数本走っている。ここが本当の峠で、向こうの集落は京田辺市の最奥の打田地区である。市の中心部へは30分はかかるだろう。