Canon 28mm/F2.8S

CANON 28mm F2.8 - キヤノンカメラミュージアム

今日は意外なレンズの紹介…1957年登場のCanon 28mm/F2.8Sだ。このレンズは真鍮製なので見た目より重いが、扱いは同時代の他社のレンズと比較すると良好である。どのレンズとも似ていないレンズ構成で、かなり強い凹メニスカスレンズの内側に凸メニスカスを貼り合わせるという、かなりの離れ業をやってのけている。前モデルのF3.5はガウスタイプだが、当時として先進的なF2.8は、ほとんど同じレンズ口径・全長で明るさと薄さを両立させている。フィルター径は40mmだが、これはこの時のキヤノンの標準径が40mmだっただけである。付いているのは純正の薄型40mmフィルター(上の絵では汎用品)。

   

中遠距離のテストは以前にしていて、ごく四隅以外は良好な結果だった。今回は近接1m(目一杯の接写)F5.6だ。レンズ設計が良かったのだろうが特に問題はない。下の切り出しでもピントは決まっているしボケるのも癖がなくほどほどに留まっている。

逆光では意外にも硬いゴーストは出ずに大きなゴーストとフレアが広がった(F8)…逆光では要注意だ、ゴースト・フレアの出方についてはもう少し実験したい。以前に撮影したときはコロコロした「感じの良い」ゴーストが出たのである。