嶽山一周 ⑤

ところどころに今も耕作している場所がある。もとはこの谷間いっぱいに畑があったに相違ない。

峠から暗い森を数分歩くと東畑の最奥の家が見えてくる。見ての通りあまり人も車も通ったあとがない。

ところが最奥の家の前に出ると景色は一変し、整理された植え込みや適当に間伐された林の風景になる。かつて陸の孤島と言われた東畑も住民の何百年も続いたムラ造りでこうなるのである。自然林だが人の手が入っている=里山

少し下ると東畑神社のムラからの参道が見えてくる。山の右奥が嶽山だ。

鳥居前に立つと、本殿に向けて目の眩むような階段である。ここは諦める。

谷の源頭付近に神社はあり、鳥居前をトラバースする小径を進む。途中使われなくなった小屋が山に飲み込まれる姿を見た...日本では温帯モンスーン気候によって何があっても砂漠化することはなく、どんな人工物も放置されると、このように山や野原に飲み込まれていく。

谷の源頭らしく、ここに地区の簡易水道の水槽がある(その上は駐車場)。崖の上に神社の裏参道の幟が見えている。

急坂を歩いて裏参道に出る。ここは車が入れるように後世に造られたものである。これのみシンクロ撮影。ここで駐車場に戻り嶽山一周はお終い、約1時間の散歩だった。

古いカメラだが味がある。AWBは青に転びやすく1200万画素にすぎないため繊細さには欠けるが充分今でも使えるカメラである。