華厳寺へ戻る

境内も奥へ進むと森が深くなり、たいへんな湿度だ…あらゆる場所に苔や羊歯が生えている。雑草は刈ってあるので、ちょっとした売り物なのかも知れない。

階段を半分上がったところで振り返る。1kmばかり歩くうちに谷は狭まり両側の山が迫ってきている。このあたりまで来ると参道の左右に寄進された灯籠や碑、色々な堂宇の数が増えてくる。

ふと小さな無銘のお堂の脇に「軍馬之碑」があった。木の根方に建てられたものだが木の生長と共に根が盛り上がり、それほど古くない碑は傾いてしまった。

本堂は屋根の改修のため工事用のテントで囲まれていて、私は右の鐘楼側へ回った。本堂が終点ではなく、まだまだ山をつま先上がりに這い上がり、お堂や社が山の鞍部まで建っている。

本堂に横から入ると、テントで囲われて薄暗い中に、まず賓頭盧(びんずる)さんが座っていた。

そしてようやく本尊の前まで辿りついた…ここでは撮影禁止ではない。まずは脇の床几で大休止である。