長命寺 2

本堂の裏山の巨石群、これがここが寺院になる前の聖地の山である。磐船が数多く並んでいて天から神々を乗せて降りてきた場所ということである。すぐ横にここの開祖とされる渡来系の聖人(官僚でもある)の武内宿禰の碑と足跡とされる石板がある。いずれにしても巨石信仰や仏法、天狗信仰などが集合した山域なのである。

武内宿禰

本堂へ…少し観光的なことも実施しているが、それほどの力は入っていない。観光客より参拝客(信徒)の方が多い。山の上であり、高速道路も鉄道も近くになく、この静けさが良い寺である。琵琶湖を眺めながら1時間ぐらい座っていても飽きが来ない。

この奥に秘仏:千手観音がおさまっている。この左に西国三十三所の札所があり、そこで朱印をいただく。

また境内の広場のベンチに座る(前掲のシダレ桜の下)。その横に時計が寄進されているが、どうやら故障しているようだ。その昔(戦前)腕時計は貴重品で普通の人は持っていなかった。そこで人の集まる場所に時計塔が設置されたものだった。この時計もそのような趣旨だったのだろう...もちろんこれは戦前ほどは古くない=10年ぐらい前には動いていたと記憶している。私の父が郷里の村の中心に時計塔を寄付したいと生前に言っていたのを思い出す。