AI AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED 2002年発売の旧型のNIKKOR 18-35mm/F3.5-4.5Dである。
AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED 現行品はこれで、「デジタルカメラ・レポート」にもあるとおり現在使用中である。
上が旧D、下が新Gのレンズ構成で、スペックは同じでもまったく異なるレンズである。改良されたレンズを持っているなら旧式は要らないのでは?とも思えようだろうが、現実には何度も書くように、フィルム時代のレンズがそれほど劣っているとはどうしても思えないのである。仕事として記録する場合は当然に最新レンズ・ボディを選ぶだろうが、「写真を撮る」という行為においてはそうとばかりも言えないものなのである。
このような場面では綺麗に写るが、少し周辺のボケ具合を見ても分かる程度に四隅は崩れている。大きな周辺光量落ちはF4.5ぐらいで解消されるが、ピントに関してはF8まで絞っても収まらない。F11なら目立たなくなるが、そうすると回折の影響でエッヂが丸くなってくる。ある程度周辺(四隅と言うべき)を捨ててF5.6-8で撮るのが良さそうだ。
逆光に関しては同世代のCanon EF20-35mm/F3.5-4.5よりも結果が良く、ほとんど目立つゴースト・フレアは出ない(太陽は電柱の上にある)。どちらにしてもGレンズより低性能ではあっても実用の範囲内とだけは言えるだろう。
NIKKOR 18-35mm/F3.5-4.5DとCanon EF20-35mm/F3.5-4.5…同世代のレンズとして良いライバルである。NIKKORの大袈裟なフードを外すと、ほとんど両者は同じ大きさ重さだと分かる。フィルム時代末期、小型で高性能のしのぎを削っていたのである。この2本ではCanonの勝ちであった…テレセントリック特性を考慮する必要の無かった時代、周辺の崩れは似たようなものだが、中央付近のピントの切れ味はCanonが上で、AF速にも差がかなりある/それらの差が中古品となった現在の価格差になっている(もちろん同程度ならCanonが高い)。