LIGHT LENS LAB 50mm f/2 Rigid-SPII

昨日到着したLIGHT LENS LAB 50mm f/2 Rigid-SPII(周50mmF2と呼ぶことにする)を曇天の中、簡単テストをしてみた。summicron 50mmF2/1st後期型に似せた鏡胴に下記のレンズエレメント(これも昔のレンズの復刻)を入れたもので、多少レンズが長くなり間延びした印象だが「範囲内」だろう。

こちらがオリジナルのsummicron 50mmF2/1st後期型。

上はオリジナル復刻版。下はメーカー(あるいは代理店)の能書きである。

  • LIGHT LENS LAB 50mm f/2 Rigid-SPII(愛称:周リジッドSP2)は、1956~1968年に製造された "Summicron 50mm F2 1st Rigid" の後期型を再現した鏡筒と、1940年代の名シネマレンズ "Speed Panchro Series II 50mm F2" に近い光学性能を備えた標準単焦点レンズです。
  • 【精密感のある美しい鏡筒】愛好家から高く評価されている "Summicron 50mm F2 1st Rigid" のコンパクトで美しいデザインを再現。絞りリングの心地よいクリック感、緻密なローレット加工や指標の刻印、カチッと止まる無限遠ロックなど、加工精度の高さと上質な操作感を味わえます。鏡筒は耐久性に優れた真鍮製で、小型ながら重厚感のある存在感となっています。
  • 【名シネマレンズの描写を再現】著名なハリウッドスタジオで愛用された1940年代のシネマレンズ "Cooke Speed Panchro" シリーズの卓越した映像表現を再現。5群7枚の伝統的なダブルガウスタイプの構成と、ランタンフリントガラスを使用したレンズを採用し、オリジナルに近い光学性能を実現しました。現代のレンズとは一線を画すユニークな描写により、あらゆる撮影で個性を発揮できます
  • 対応マウント:Mマウント / 焦点距離;50mm / 対応撮像画面サイズ:35mmフルサイズ / 最短撮影距離 / 0.7m / 絞り:F2-F22 / サイズ:Φ43.2 x 45.5mm / 重量:約250g

私は映画用レンズに詳しくないが、どうやら名レンズだったようだ。オリジナル復刻版はデザインが不興だったのか(私もその理由で見送っていた)最近にsummicron 50mmF2の鏡胴に入れて発売した...シリアルナンバーは123/998となっているが、おそらくオリジナルと通しの番号だろう。価格を考えるとそんなに売れるはずもないからだ。

さてテストだが、中間距離では絞り開放F2では少し苦しく、F2.8で合格の範囲になり、周八35mmF2/周ELCAN50mmF2と異なり、1940年代のレンズを多少改良したもので安心して良い。更に絞ると少しずつ画質は上がるが、極端なことはなく深度が深まるのみで画調はあまり変化がない。シネレンズとして優秀なのはこのあたりだろう。 下は切り出しで天候を考えると十分な写りであり、レンズ構成枚数の少ない(4枚玉)の周ELCAN50mmF2よりヌケは悪いが(こちらは7枚玉)解像度は高い...何よりシネレンズ、描写が軟らかくボケ味が50mmとしてはたいへん良い。Leicaのレンズと混ぜて使っても遜色はないだろう。

 

ISO160/1m/F5.6での撮影...天候のせいもあるだろうがやはり軟らかい描写である。ボディをM9にしたのは一番多く使っていて特性を熟知しているからで、更に画質を上げたいならM10やM10Rにすればよい。しかし慣れだけではなく、どうしてもM9が良いと感じてしまうのである。 下は切り出し...50mmの近接となると深度が浅くなりピントの合う範囲は少なくなる。しかしこれも良好な結果である(特にボケ味)。