柘榴へ②

山中にあったのは「養蜂」の巣箱である。今はシーズンではないため蜂も養蜂家もいないが、春になればまた戻ってくる。柘榴の人たちが養蜂をしているのではなく、旅の養蜂家が花の季節に南から花を追って北へ向かっていくのだ。写真の2基だけではなく林の奥まで何基もある。道路のできる前は完全な山中だった...バスの窓からいつも見ていて気にかかっていた。ある種の権利が認められてこのような中途半端な道が幾本もある。軽トラが停められる程度の舗装だ。

道路との境には竹を倒しただけの結界がはってあり、無理に通る人はいない...私のようなもの好きだけだろう。蜂の季節には危なくて入れない。

さてもとへ戻る...河岸段丘上の農地は今も耕されている。向こうの丘には近鉄電車が延伸されることになっているが、まだコースは確定していない...どこに新駅ができるのかは利害が大きく絡んでいて話が前に進まないようだ。そう言っているうちに人口の減少が始まり、近鉄も赤字が増える予想で延伸に消極的である。

国道の交差点に下りてきた。どれほどの効果があるのかは分からないが大型の広告看板がたくさん建っている。

そして柘榴の旧街道に入る...新道との追分には、なにやら「宝塔」の碑が建っていて領地の主張が感じられる。奈良側と異なり、よそ者の入る余地はない。土地はいくらでもあるのだが、豊かな地主たちは簡単には売らない。