柘榴集落へ戻る

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さて「デジタルカメラ・レポート」ばかり書いてきたが、またフィールドに戻ろう。前回では柘榴地区のバス停付近で終わっていたが、そこからムラの東外れに移動した。以前にも紹介した地区の墓地である。この地方の遺風として残った「両墓制」の色濃い貴重な場所なのである。入ったところに水道や掃除用具置き場などがあり、結界として植え込みが手入れされている。

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山を拓いた墓地に入ると「埋め墓」があり、ここに遺灰が埋められる…以前は土葬だったが、現在は火葬として遺灰を葬るのである。一番新しいのは令和三年一月となっており、白木の墓標がきれいなままであった。

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埋め墓から外の世界を見る。結界の向こうに六地蔵が並び、冥界と娑婆を区切っている。私の故郷は両墓制ではなかったが、1960年頃まで土葬で、ムラ外れの墓地に埋められていた。小学校低学年の頃、夜に火の玉がユラユラ飛んでいたのを見たこともある。不思議と怖さはなく「向こうとこちらの世界」程度に感じていた…祖母・祖父にそう教えられていたからに相違ないが…。

またあとでも出てくるが、こちらが檀家寺の階段脇にぎっしり並んだ「詣り墓」、しかし土地がなかったというだけではない。やはり「向こうとこちらの世界」を分ける意味(その意味が簡単に説明できない)が大きかったのである。

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柘榴地区探索にはこのセットである。APS、たったの1200万画素で距離は目測、絞り優先AEで、F5.6で撮影した(非常に良く写る)。これから奥山へ分け入る。

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