島遍路

灯台前からの展望…正面の島が塩飽諸島の西端にある粟島、左に点々と塩飽の島々が並んでいる。右遠くに燧灘の向こうに霞んでいるのが四国山地、左遠くの三角の山は讃岐富士、かすかに丸亀や坂出の街並みが見えて、瀬戸大橋も見えている。平和な風景をベンチに座りつつ眺めて、思えば遠くへ来たもんだ…自分の人生と同化するような気分になる。

灯台の横から帰路につく…石仏が二体あった。ハイキングコースになっているが、元々は島遍路の道なのである。四国八十八ヶ所の寺の本尊のレプリカが道の(島全体を含む)所々に置かれていて、島内だけで遍路できるようになっている。この風習は瀬戸内の島々では方々にあり、珍しい訳ではないが、ここでは草刈りをしたり寺の木札を新調したりと再整備されている。これらも最初に来たときは草むしていた。

遍路道を進むとこのような風景に出会う…どこの島でも繁茂している藪である(名を知らない)。道は整備されているが藪のトンネルは何ヶ所か観光的な意味で残されている。

ここなんか以前は這うようにして通ったものだが、今は腰を少しかがめる程度で抜けられる。藪のトンネルの横に熊手が立てかけられていて、いつでも掃除ができるようになっている。

さて元来た道へ出ると、こちらが東を向いているため午後3時ぐらいで陰ってくる。ここから急いで島の西側の集落へ歩くことになる。

こんな細い道が水仙郷や灯台への道なのである(前浦地区の外れ)。今は小さな看板も出ていて分かりやすいが、以前は「ここから?」という感じだった。この三坪ばかりのお堂も島遍路の札所だ(中に入って休憩もできる)。