1年ぶりに瀬戸内の島旅に出かけた。一日目は笠岡諸島の六島へ水仙を見る旅である。もう何回も来ているが(すべて離島への学術調査)水仙郷がイノシシに荒らされて花の咲きが心配されたので(訪問2度目は咲きが悪かった)3度目のこの季節の来島となった。京都を出て約3時間、pm1:20の船便に乗る。深い笠岡湾の名所の橋をくぐると新橋の建設が始まっていた。左が神島、右が本土である。神島は湾の奥で大規模埋立(平成2年竣工)により本土とつながっているのだが、多くの人は未だに橋(1970年架橋)を渡るか連絡船に頼っている。そして干拓地側の国道2号線バイパスがあるにも関わらず、こちらの橋の新設につながっている。
約40分の航海で六島に接岸、かなりの人出である。朝来た人が帰っていくのである。片道1280円の船旅(観光客が乗れるのは事実上、日に2便)、商店なし、なかなか来にくい場所のはずだが笠岡市や50名程度の島民の努力で来訪者は若い人を中心に増えている。10年ぐらい前に初めて来たときは我々以外の乗客は居なかった。この日は5-6名のTVクルーも来ていた。
宿泊施設は民宿が1軒だったが、最近はお寺:天台宗妙音院も宿泊を認めてくれるようになり、トイレなども解放している。
そして最初の頃知り合った、祖父母が島民で、生まれも育ちも関西の青年が、変形Uターンで島に帰ってきて地ビール造りを始めたことを知る。次に来たときはその青年が港近くの古い民家を改築しカフェを開店した。前回来たときはコーヒー程度だったが、今回はメニューを広げてカレーを食べられるようになった。奥はビール工房である。少しずつ軌道に乗っているようで嬉しかった。私もコーヒーを店の前の港前のオープンスペースでいただいた。船便の都合で15分の休止とするのが精一杯だったが海を前にしたコーヒーは格別だった。
前浦集落から灯台への小径が水仙郷である。もちろん人工のもので少ない島民が世話をして育てているのである。今回は全体としては三分咲きだがイノシシ害は少なく順調に回復している。イノシシは比較的最近に周りの島も含めて海を泳いで多頭が上陸しすでに繁殖もしている…捕獲には許可も要るし、わずかな島民(多くが高齢者)では山に逃げられてはどうにもならない。今や離島の大問題になっている。水仙は毒性があるため食べられはしないが地面を掘り返すため水仙畠が荒れてしまうのである。
三分咲きと言ったが、日当たりの良い橋では満開で充分に楽しめた。あと1週間ぐらいで満開に近くなるはずだが、寒波の予報もあり、今年は開花が遅れそうだ。
そして岡山県最古の灯台:六島灯台である。ここは笠岡諸島と塩飽諸島の境になり、潮流が強く、海援隊のいろは丸の沈没が有名であり、他にも海難事故が江戸時代から発生していたために設置されたのだろう。周りの高木や雑草は刈り払われ、後ろの大石山以外の250度ぐらい全開である。左は坂出や瀬戸大橋、正面は荘内半島や塩飽諸島、右は伊吹島や石鎚山まで見えていた。ここから先は明日以降…。
今回は二日間歩き通すため、軽くて良く写る下の組み合わせとした。ほとんどワイド側で撮るため、単焦点の16mm/24mmでも好いと感じた。今度Nikonでは26mmZのパンケーキが計画されているらしく関心が涌く。