六島、夕刻を歩く

前浦の集落に戻った…昨年倒壊しそうになっていた家は解体されて更地となっていた。右の家がカフェの裏口だ。

集落を歩くうちにどんどん日が陰っていく(pm4)。山がやや高い割に裾野が狭ために夕暮れは早い。ここは簡易郵便局はなく、このポストに入れるか、入らないものは連絡船に託すしかない。そして島で唯一の公衆電話。左は10年以上前に閉店したこれも唯一の商店…現在商売をしているのは新しいカフェと乾物(島で獲れた海産物加工品)販売の漁家だけである。小さな建物は社会福祉協議会六島支部(防災倉庫を兼ねている)と看板がかかっていた。元々は隣の真鍋島の属島であったため真鍋島消防団六島支部の表記がある。

前浦のはずれには昔の埋め墓がある。今は前の浜は埋め立てられて参り墓となっているが元は砂浜に設けられた埋め墓である。

島の反対側の湛江地区に太陽を求めて歩く。TVクルーの青年達も同じ道を歩む。徒歩で15分、日の射している岬の向こうが湛江だ。

写真を撮っているうちに若者達に置いてゆかれた。この道にも4ヶ所ばかり島遍路の石仏が配されている。崖が崩れることがあるため石垣で擁壁を作り始めていた。

中間点付近で前浦集落を眺めた。たくさんの家が山を這い上がっていて、昔は数百人の人々が農漁業で暮らしていたのである。

六島 (岡山県)