EPSON R-D1x

EPSON R-D1 世界初のデジタルレンジファインダーカメラ

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天気が良くて、趣味的なカメラテスト…EPSON R-D1xである。初号機R-D1(これも持っている)は2004年に登場し、その改良型がこれである。コシナのベッサR2Aにデジタルカメラの機構を押し込んだかなり無理なカメラであるが、他メーカーとはまったく違うカメラになり、ライカマウントレンズならその多くが取り付けられる。その他は良いとしてもファインダーを等倍にしたのが最大の失敗である。ファインダーで枠の出る最大が28mm(42mm画角)で、RF機の得意とするワイドレンズは外付けファインダーが必要となるのである。APSは約1.5倍掛けの焦点距離画角になるため等倍ファインダーだと28/35/50mm(つまり42/52/75mm画角)と長焦点寄りになることが問題なのである。確かにライカマウントレンズの多くは35mm判なので28mm以上のレンズが多く、安直に楽しめると言えるが、実用的には15mm-24mm(23-36mm)が使いやすいと思う。つまりM6やMPで採用されている0.72/0.58のファインダー倍率が正解だろう。とは云え、世界で最初にRFデジタルカメラを造った(M8より早く完成度も高い)のである。もっと評価されていいだろう…このカメラは別としてRFデジタルカメラLeica以外は未だに製造されていない。マウントアダプターを挟んでミラーレス機で楽しまれているようだ。今回は昨年末にエプソンの倉庫から30台ばかりのEPSON R-D1xが出てきて、ネットミーティングでEPSON R-D1作品の公募があったため、ぞろ出ていくことにしたのが端緒である。残念ながら30名の抽選には外れたため、この組み合わせで作品は作っていない(普通とは違い抽選で人を決めてから写真を送るイベント)。せっかくだから今度の写真散歩に持ち出すか…昨年のRICOH GXR+Zeiss Hologon 16mmF8 T*やVoigtlander SWH15mmF4.5の写真散歩は楽しかった。

EPSON R-D1x

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色味は赤い(補正可能の範囲)AWBの色味の細かな設定はできない(標準・人物・風景などだけ)。古い610万画素のCCDセンサーなので、最新レンズでもほどほどの解像線である…しかし実用的には問題はない。

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近接してみる。ツタは枯れたので常緑樹だ。このような光線状態だと赤味は引っ込み黄色くなる。

下は中央部切り出し…解像線といい質感といい悪くない。以前のテストでは20-24mmぐらいになると、当然ながら更に良い画像になることも分かっている。

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逆光撮影は難しい。この機械に入っている露出計はハイライトに敏感に反応するため、画面に太陽が入るような場合は全体が真っ黒になってしまうのである。マニュアルにすれば可能だがダイナミックレンジが極端に狭いため、うまくコントロールできない。この写真は木の間越しの逆光撮影で、この程度なら問題はないという例としておこう。Voigtlander SWH15mmF4.5-IIIは別のテストで逆光に強いことは分かっている。

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Leica M型の価格(100万円前後)を考えると、コシナにRFデジタルカメラを期待したい。フィルム時代の最後に出したZeiss Ikon(これはついにLeica M7を越えた機械だと思う)にデジタルカメラの機構を組み込めるはずである。価格が50万円程度に収まれば売れるだろう。ツァイスイコン