elmar 90mmF4のOH

 

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今日は天候がやや回復したので、先日来友人に(プロではないがプロ並)OHで預けていた、elmar 90mmF4(1958年製/1998年購入)をテストしてみた。見た目にはレンズの曇りだが、全バラして絞り羽根の清掃したのち曇りを取り、再度組み立てることにより、経年変化の各部の緩みが自動的に是正されるのである。古いレンズやボディを全バラして組み直すのを勧めたい(それを分解掃除と言う)。レンズの先に付いているのは39mmUVフィルターと社外品の円筒形フード。

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曇り/絞り開放F4/ISO200/AWB/Leica M Typ262…見違えるほどヌケが良くなった。そしてF4でもピントの合っている場所は周辺までキレイに解像している(四隅に甘さがある)。F5.6でほぼ全面にピントが来て、F8-11と絞るごとにシャープとなりコントラストも上がる。63年前のレンズとは思えぬ描写で、晴れると更に良い結果が出せるだろう。

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上の写真の左隅を切り出した…手前中央にピントを合わせているので、当然に深度から外れているのは分かるが、明らかに収差によるボケの崩れが見られる。これは中央の竹藪のボケには見られない。アウトフォーカス部でのボケを見ると収差が見えやすい(これは現在のレンズでも同様)。

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そして同じ場所をF8に絞った状態で切り出すと、深度が深まるだけではなく収差が小さくなり、ボケ味も率直になる。

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更にF4で無限遠にピントを持っていくと(切り出しの範囲は同じぐらい/もちろん中央に家並みを置いている)フルサイズの一部分と考えると充分な画質と言えるだろう…F8程度まで絞ればシャープ感も大幅に増す。現在の24-105mmズームの90mm/F8と遜色のないレベルである。