Canon EF22-55mm/F4-5.6

 

EF22-55mm F4-5.6 USM

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今日は最後まで良い個体がなくて導入できていなかったCanon EF22-55mm/F4-5.6(フィルム時代の1998年発売)がようやく入手できたので実地撮影でテストした。EF20-35mm F3.5-4.5 USM (やはりフィルム時代のレンズ)に比べると定価3万円と半分以下の値段で、APSフィルム一眼レフEOS IX50用のレンズとして発売されたものである。現在のEF-Sレンズと異なりイメージサークルはフルサイズ相当である。CanonもFDをスッパリ切ってのEOSマウントだったせいか、フルサイズとの「互換」を意識していたのだろう。つまりAPSフィルム一眼レフの28-69mm画角(APS規格のフォーマットサイズは各社同じではないのでX1.5ではない)という標準ズームとして売り出された特殊な分類のEFレンズである。カメラの性格上コストは削らなければならず、ほとんどプラスチック製で驚くほど軽い。ここまで入手が遅れたのも市場に出てくるものが程度の良くない個体が多かった理由もそういうことかも知れない。USMは他のレンズに比べると遅いし迷うこともあり、コーティングも他の同時代のマルチコートではなくFD時代のパープル・マゼンタ系のモノコートレンズである(おそらくOEMだろう)。

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行ったのは浄瑠璃寺の秋の景色である。アトリエでの厳密テストもしたが、APS用レンズと言うことで中央以外はダメかと想像していたが、思ったより成績は良く、Canon EF20-35mm/F3.5-4.5より周辺に関しては光量落ちや像の崩れは小さいことも分かった。ただしモノコーティングのせいか、あるいはレンズ構成のためか逆光に対してはフレアっぽい…要注意である。

上下とも22mmでの撮影で、中央部の解像はさすがにCanon EF20-35mm/F3.5-4.5に比べると劣るが、平均画質においては悪くはなく実用できるだろう。絞り開放では少し緩めなのでF5.6からで、絞ってもそれほど画質は伸びない。また55mm側では画質的に落ちると思われた。やはり一段絞ってF8からだろう。

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やはり空からの光線のせいで画面上部の木々がハレ気味だ(今日は薄曇り)。

f:id:xnagy:20200926211847g:plain緑色が非球面レンズ。レンズ第一面の曲率が大きいため空からの画角外光線を拾いやすい。