レンズテスト番外編=RICOH GXR

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今日は疲労のためレンズテスト(ボディも含む)番外編とした。特に理由はなく、ふと手にした、少し不幸なRICOH GXR+RICOH 15.7-55.5mmF3.5-5.5(通称「土管レンズ」=1600万画素ローパスレスAPS-Cセンサー)を試してみる。このカメラはレンズとセンサーを一体化した画期的なもので、ボディは種々のコントロールだけをするターミナル(したがって小型軽量)と位置づけられているようだ。1/3.2センサーからAPS-Cまでのレンズが発売され、Leica Mマウント用のAPS-Cユニットまで出され、このユニットは一時的ではあるが生産が追いつかないほどのブームを見せた(比較的安価にLeicaマウントレンズが使える!)…私もRICOH GXRボディを2台買っていて、1台はZeiss Hologon 16mmF8 T*のL改レンズ専用とし(ホロゴンは今のところこのボディでのみ完全に写せる)、もう1台をレンズ交換用に使っていた。ところがおそらくレンズの生産コストがかかり(センサーが付いている)価格を高くすれば売れないため、II型が期待されながら(フルサイズセンサーユニット)も出ることはなかった。ボディ設計の段階でAPS-Cまでとなっていて、ボディの性能がフルサイズには能力的に足りないことになっていたようだ。APS-Cレンズも3本が出されただけに終わった。土管レンズ(だいたい24-85mm画角)は最後の開発レンズである。

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描写について…ワイド側は絞り開放ではシャープ感はなく、小さなサイズではなんとか使えるレベルで、比較的良くなるのはF8まで絞らないといけない。下がF8での等倍1/2切り出しである=これでも現在の各社APS-Cズームレンズと比してピントの甘さが見られる。ただし中央と周辺の差は少ない。

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RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5

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望遠側は絞り開放(と云ってもF5.5)で全面にピントが来る。このレンズ+センサーとボディの組み合わせだとAWBが温色傾向になる(Mユニットでは無い現象)ためAWBの微調整で青い方へずらす必要があった。下はやはり等倍1/2切り出しだが、画面のどこをとっても破綻はなく現在のAPS-Cズームレンズと対抗できる性能である。

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GXR / デジタルカメラ | RICOH IMAGING