地元のサクラ

この四日間で何箇所かのローカルな桜を巡った。その一部を紹介しよう。学生の頃、教授に「あと何回桜が見られるかな...」と言われ、先生にとってはあとが少ないが、18歳の私にとっても「70歳まで撮るとして50回ぐらい、仕事や雨で撮れない年もあるし...たったの30回ぐらい!」と思い、毎年サクラを撮りに出かけたものだ。特別に花の写真が好きな訳ではなく「あと何回」が問題だった。若い頃与えられた一種の写真家の証のようなものだったのだろう。当時の教授の年齢をはるかに超えて70歳となった今も桜の季節が来るとウキウキと撮影に出る。

京田辺の普賢寺(観音寺が正式=このいきさつは以前に書いた)へ…早咲きの桜は半分散っていて、お寺も観光寺ではないため桜の木々は少しずつ衰えている。寺は本堂を残して伽藍は消失している。

本堂前の池に散った桜の花びらが落ちる。池には多数の錦鯉が泳いでいて、これはお寺が面倒を見ているようだ。

地域を盛り上げるために普賢寺地区の人々が、このシーズンに合わせて広大な菜の花畑を作る。今年から寺の敷地にかなりの数の出店も出ていた。

店はテキヤなどではなく市民のグループが多く、車で移動式のカフェも2台入っていた。午後4時半には撤収を開始した。

別の日、稲植神社を再訪...名物のシダレザクラも満開となっていた。周りを森に囲まれ、駐車場も広く近在の人が多く参拝する(観光地ではないため観光客はいない)。

シダレザクラを地面に座り込んで下から撮る(桜を撮るときはシンクロさせる=従って今回の写真はすべてストロボ内蔵のNikon D750/610だ)...毎年そうだがあらゆる角度や焦点距離で200カットは撮る。

そして尾根を歩いて如来堂の桜だ。何という品種か分からないが、ここのは白い花の葉ザクラである。周りの開発で辛うじて1本だけ残った木で一時は元気を失っていたが、今年は復活して満開である。

そして如来堂から参道を見下ろすと手前の家から喪服の人が出てきた(法事でもあったらしい)。車の入れない道なので遠くに止めているのだろう。この景色は昔と変わらない…背後はミニ開発の家々が建ち、もう2/3程度が入居している。あとはまた次回。