前回はEPSON R-D1xとVoigtlander SWH15mmF4.5で実験してみたが、オンラインミーティングに外れて、なんとなくカメラを触っていると「別のレンズで」と思い立った。黎明期のボディとしてフィルムカメラの要素を残して洒落た感じになるかな…レバー巻き上げ(シャッターチャージ)、無意味そうなアナログ表示、なんとか28m(40mm画角)の枠、普通の縦走りフォーカルプレンシャッター、その他…粋なスナップカメラになるかも知れない。レンズはAVENON 28mmF3.5L(もっと新しい28mmレンズを使えば良像が得やすいが…口径43mmのパンケーキレンズが似合うのである)を選んだ。古いものには古いものが私の信条だ。以前にLeica M Typ262に付けてテストしたら、単純なガウスタイプのこのレンズは中心は良くても周辺部はガタガタであった=APSなら行けそうに思った。
夕刻、日没寸前に日が差したので撮影…ISO200/AWB/絞り開放F3.5、周辺は多少怪しく(F8なら大丈夫)、ボディ側の610万画素センサーのダイナミックレンジの狭さにより黒潰れもはなはだしいが、夕刻の雰囲気は好く出ている。
上の切り出し画像…これは充分な画質である。エアコン室外機にモアレが出ているのが(解像している)いじらしい。絞り開放でも遠景までピントが合っていて(フィルム的な見方であるが…拡大はしない)少なくとも中遠距離はスナップに使えるだろう。
最短撮影距離の1mで(ISO200/AWB/F3.5/SS.1/34)…距離計連動カムの精度が悪く(Leica純正レンズ以外ではよくあること)ほんの2-3cmずれる。中央のVoigtlander NOKTON35mmF1.4(mapcamera SP)に合わせたが、拡大するとSDカードの説明文にピントが来ていた。これを見てもピント深度が深くてF3.5開放でもボケにくい性質なことが分かる。このようなシーンではAWBは正確だ。
日没後の絞り開放F3.5でのスナップ…やはり見かけ上のピントは深く、スナップとしては使いやすい。日没後の空からの残照下での撮影だが、質感や立体感はでていて、ボディの性格から輝度差が小さい方が好い写りになるのである。これは使えそうなボディ・レンズである(小粋だ)。