華厳寺参道 3

付近には根尾谷断層(これが戦前の濃尾地震を発生させた)があり、当地でも菊石を初めとする貴石を産出する(圧力変成岩)。そのため参道にも石の土産物店が目立っている。

根尾谷断層

とは言え、それほど流行っているほどではなく、すでに閉鎖されている店が多い。今では土産や贈答用に石を買う人は少ないだろう。以前は玄関内外に貴石・奇石を置いた家も多かった=私の父親も置いていた。

そしてお茶の産地でもあり、お茶屋も多い。店の奥に売っているのか貸衣装か(たぶん後者)着物がぶら下がっているのが面白い。昔日の風景が目に浮かぶようだ。なにしろ大垣から延々と歩いて奥山までやってくるのだから、参道で着物に着替えて写真館で撮影したり、華厳寺へお詣りしたことだろう。

昔のことは分からないが、今は参道にはカエデが街路樹として植えられている。古木なのでかなり以前に整備されたものと思われる。秋にはさぞ美しい径となり、お寺までの1kmの道のりを店をのぞきながら歩くのである。もし次回があるなら秋だ…前回は春、今回は夏であった。春は付近の山や境内は立派な杉林なので花粉症の人は勧められない…風が吹くたび、薄黄色い花粉が砂嵐のように舞っていた。