堀切港

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沖島通船(渡し船)の発着場「堀切港」に着く。ここは近江八幡市街から遠く離れた不便な場所にある。島民の至便性を考慮して、いわば沖島のプライベートヤード的な堀切漁港から船は発着する。バスも日に4本程度で、外から来るには自動車でとなる…通船の始まった20年前から、駐車場無し(港の駐車場はすべて島民用だ)で=今は駐禁となっているが田舎道のそこここに停めるしかなかった(来訪者も極端に少なかった)。その後篤志家が港近くの土地を開放して無料駐車場となり、ごく最近は来訪者も増えて有料駐車場となっている(離島振興法の適用を受けて観光に多少力を入れている)。

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港に下りると待合室があり、緊急自動車(ほぼ救急車)用の場所以外は島民専用の屋根付き駐車場で占められる。船はだいたい1時間に1本で午後8時15分まである。船でここまで来て、ここから車で町へ出て、また帰ってくると言うことだ。

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待合室と言っても特に何もない(トイレもない)。雨や風をしのぐ程度である。左の大きな冷蔵庫は島の小学校への給食の一時預かり用である。この島は石材と漁業で比較的豊かだったため、2000年頃までは観光に背を向けていて、釣り人が漁家にウミを渡してもらう程度の外来者の受入れであった。しかしあくまで島民の至便性のための通船として連絡船が通り、島民により運営され黒字すら出てきた…だが平成25年に離島振興法の指定を受けて(勿論補助も出るし、更に島の所属する近江八幡市は観光に力を入れているため…)多少観光に乗り出しているように見える。だが20年間年に2-3回通い詰めている私が変化を見る限り、それほど観光に熱心とは言えず、観光派とそうでない派の分断があるようにも感じる…私は数十回の来訪と聞き取りや撮影を通じて、島民200名程度の人に知られているので問題はないが…批判するつもりはない、何百年も続いた閉鎖性を一気に解放するのは無理があるし、更に伝統的な文化(日本で唯一の湖の島の村=世界的にも珍しい)を捨象することになるのには賛成できない。

沖島町離島振興推進協議会