大浦銀座

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今回の旅日記は歩いた順番にこだわらず、印象のまま掲載していくことにした。 場所は北木島の大浦地区の旧商店街…旧と言っても新があるわけではない、往事北木島の石材採掘の全盛期(北木石は良質で貴重な資源であった)には、この地区だけで二千人からの人が住み(外からの採掘職人や商売人も多く来島していた)商店街も「大浦銀座」の様相を呈していたのである。その頃の名残がまだ残っている。石は海外産に押されて現在は僅かな生産にとどまっている。衰えたのは比較的最近のことだが、町の衰亡は速くて現在の人口は五~六百人という(古老からの聞き取り)。それでも離島の一地区としては大きな人口のため、ほぼシャッター通りとはいえ、商店や食堂・釣り宿、歯科など一通りの生活に必要な場はかろうじて残っている。現在の住民の多くは年金生活者のため高齢化が進んでおり、このままでは近い将来一気に人口は減少するだろう。

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入った入り口から外を眺めた…普通の民家は少なく、商家以外には旅の人(他所からの職人達や行商人など)のための旅館が多く建っている。今はほとんどが廃業しているが、近年までの人の出入りの多さが目に浮かぶような景色である。左の商店は細々と営業をしている。足りない物資はamazon郵便小包などが船で運ばれるし、週に一回は生協の船が本土から商品を積んでやって来るらしい。

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その商店の柱の琺瑯の塩専売許可書…今では塩などどこでも買えるが昔は違っていた。何でも指定商店や配給だった時代があるのである。

北木島