船溜まり

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住吉神社のある中州の先端(つまり橋の架かる場所)から高野川の上流側を眺める…むこうに見える橋が国道に架かる上流部も含めて唯一の広い橋である。そのようなわけで生活道路でもあり、観光客も通り、なにより港からのトラックのルートでもあって混雑は避けられない。それが由縁で新産業用道路が必要なのである。川沿いには元は回船問屋の倉庫や船大工小屋が並んでいたが、立ち退きで残っているのは僅かでおおむね住宅になっている。船も両岸にびっしり止まっていたが船の立ち退きはなされていてほとんど居ない。下は同じ場所からパノラマ・スーパーワイドTX-1で撮影した2004年の景色、川は漁船や遊覧船、湾内の定期航路の連絡船で活気にあふれている。まっすぐ伸びているのが高野川、左から合流しているのが静渓川、たったの15年で大きく変化する港の景観である。左の小屋が魚の加工場。

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出ていった船は架橋予定地より下流(海側)に船溜まりが造られ、そこに係留されている。しかし以前は歩いて行けた自船に自動車で行かなくてはならなくなり、いくら整備されてとはいえ不便さは隠せない。ただし漁獲の減少により、漁業者も減っている(高齢化も進む)のが現状である。左に見えるのが保税地で、ここから貨物船から大型クレーンで降ろした荷物をトラックに積みかえ、先の国道まで出て高速道路のインターへ向かっていく…新しい橋と道はこれの流れを促進し、同時に生活道路の国道の混雑も緩和しようとの狙いである。筆者が舞鶴に通い始めた30数年前から計画はあったが、進み始めたのはこの10年で、景観は大きく変わったものの工事は予算が回ってこないのか遅々として進んでいない。

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