天狗杉

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元の道を辿り、宝篋印塔のある小さな峠に戻った…龍王堂の前にある天狗杉の朽ちた根っこが残されていた。消えかけた案内板を読むと「黒龍王杉」とも呼ばれて、この山の御神木として崇められていたそうである。回りのまだ小さな杉は、この木から落ちた種から生えてきたもので、あと100-200年もすれば巨木となるだろう。

峠を過ぎて右側の尾根に西国三十三所巡りの庭園が広がる…三十三所の観音像が順に並んでいるのである。まだ像は新しく比較的最近の建造だ…ここを全部回って拝観すれば三十三所を回ったことになるという趣向なのだろう。確かに若くて車を利用すれば、一ヶ月(暇を見て回っても三ヶ月)もあれば三十三所は回れるのだが、お遍路で歩けば一年単位となり、高齢者には難しく、ここ以外にも三十三所を一時に回れるように仕立てた場所は何ヶ所も見ている。写真は若狭:青葉山松尾寺の馬頭観音像である=ここも青葉山の中腹にあり、かなりの難儀な山道の末に観音様(三十三所のうち馬頭観音はここだけ)に巡り会える。

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三十三所観音像のある尾根の向こうに大きな崖崩れの跡が未補修のままあった。崩れた場所のすぐ上に龍王堂や大師堂があり、大きな降雨があれば危ない現状である。

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これで岩間寺への小旅行はひとまず終わりとしよう。次の旅が待っている。