藪の尾根道

給水塔の後ろを振り返れば深い藪に斜面は覆われていて浜はよく見えない…向こうは渥美半島の火力・風力発電所群である。

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いちばん太い尾根道で車道にもかかわらず民家は少ない。そしてたまに見かけても廃屋か閉ざされた別荘だ=やはり高い場所より浜の付近に人口は集中している。...そして人の手が入らなくなるとすぐに藪が広がっていく。

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試しに藪の小径に入ってみると(どうも畑があったようだ)藪にすっかり覆われて前進は不可能だった。

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給水塔

寺の崖を登ると狭い尾根にたくさんの家がひしめきあっていて、抜けると尾根のてっぺんに出た…家が取り壊された跡なので見晴らしが良く、知多半島が目の前に見えた(ワイドレンズなので遠く見える)。草むらの向こうは目もくらむ断崖で下にも家があるため、ちょっとしたモノでも落とせない。

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尾根の途中に小さな峠があり、越えると渥美半島側に車道が通じていた。そして島の最高点に近い場所に給水塔があった…地下水を汲み上げているのか、本土から水道が来ているのか分からないが、ポンプアップしてここに貯めて重力で各家庭や施設に落とすのだろう。手前のスクーターは廃車ではない、ここだけではなく離島にはナンバーなしのバイクや時には自動車までが走っている。閉ざされた世界である島、なかなか取り締まれないようである(中には警察と協議して非公式に道を定めて黙認している島すらある)。もちろん事故を起こせば厳罰が待っている。

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島の墓地

どこの島でも同じだが、土地が狭いため墓地は特定の場所に密集している(そして島の外に墓地を持つこともない)。寺の裏は本来崖だが段々畑のように何段にも整地されて新旧の墓が建っている…崖の上にはやはり民家がたくさん軒を並べている。

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崖の上へ墓地を抜けて登る。このように三方が崖で、まだ少しは墓地を広げられると思われる。下は寺の本堂と太子堂、向こうの山は城山で白い大きな建物が旧小学校だ。更に山伝いに島の奥へ進むことにする。

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境内を歩く

町指定の文化財の梵鐘。文化財とは言っても小型の鐘で現役、鐘楼ではなく本堂の軒下に吊され、和尚によって毎日撞かれている。

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そして境内の隅には秋葉堂…もちろん祀られているのは秋葉山三尺坊天狗である。ここにも天狗がいた。

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正法寺

狭い道を左右どちらの海岸にも下りないように歩いて、昔の商店跡が何軒もある少し広めの場所に辿り着いた…向こうの山がさっき登った城山である。商店は廃業していたが小さな木のベンチと自販機があったのでコーラを買ってベンチに座り小休止(常に小休止は10分以内)。

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そしてすぐに正法寺に到着、商店も道が広くなったのも、この寺の参道だったためである。寺には住職もいて、文化財もあり隅々まで整頓されていた。曹洞宗とあるが大師信仰や地蔵信仰その他も混交し、ここも八百万の神仏が祀られている。

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村社:神明社

篠島 神明社

細い尾根道を歩くと村社:神明社に着く(神社としては小さい)。ここが島のふたつの山をつなぐ尾根のもっとも低い場所で、右へ少し下りると港側へ、左は海水浴場だ。地理的中心なだけではなく概ね篠島集落の中心でもある。上記サイトのとおり伊勢神宮との関わりが深く(祀っているのは天孫系とは言えない)神宮の遷宮の際、その古材の一部を使ってここで小さな遷宮がなされる。

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道をどちらに下りてもすぐ海なので神社の横の小径へ入る。島では道と個人の敷地の区別のない(昔は私の田舎の農村でもそうだった)場所も多く、このように誰かの敷地=家を壊した後、草が生えないようにセメントで舗装していた=を通り抜けた向こうに道がまた続いている。

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オレンジ色の線が前回回ったコース、緑が今回だ…その中心がこの神明社である(地図では神明神社と書いてあるが、神社の銘は村社神明社と書いている)。この地図は観光マップなので記述や道筋など不正確な部分もある。

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篠島の集落へ

集落の外れに道は来た…こんなに狭い通学路である。こちらの山と向こうの山をつなぐ低い尾根が町の中心となっている。向かいの山は海抜48m程度、電波塔と浄水場が見えている。

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島特有の家(どこの離島でも見られる)横板壁と鉄筋コンクリートの折衷造りと緑のペイント…遠洋漁業の漁師も海運に携わった船員も世界の港町を見てきたため、内地の人とは違った雰囲気の家を持つことが多いのである。

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