狭い境内から外を見た…このあたりは富農が多く、田畑や屋敷も整頓されている。そしてその奥は深くまで花崗岩の山が続いている。
本堂の裏に奥の院のような建物があり、ここに古い時代の無縁墓のストゥーパがある。小さな寺だが、ここが古刹で破壊の跡もないためだろう。いつも来るたびに写真を撮る…やはり生花が生けられていた。向こうは水子地蔵、そしてその向こうは小径を挟んで綺原神社である(元は蟹満寺と一体で寺を守護する役目だったであろう)。
初詣の2
近在の『蟹満寺』を久しぶりに訪ねた。古い水害説話と仏教が習合した寺で、数年前に本堂を新築しこの懸額も少し奥へ引っ込んだが健在である。明治初年にずっと下流の淀川の氾濫の原因をこの地の風化した花崗岩の流失とみたオランダの技師デ・レーケの判断のとおり(近在には日本初のデ・レーケによる砂防ダムがある)この地は昔から水害に見まわれてきた土地であることが、神仏混淆時代の寺の祭神となっているのである。なぜ蟹なのかはまだ分からない。
今日は正月ということもあり、檀家衆を集めて護摩焚きがなされていた(筆者も参加)。その煙が本堂に充満したため開扉がなされた…堂内は撮影禁止だが、外から眺められる珍しい機会を得て撮影した「国宝・釈迦如来座像」、白鳳時代の金銅仏で、木像ではないため保存状態が完璧である。
厳島神社側へ直接下りずに、五重塔脇の階段を下りて(奥が千畳閣)参道から1本山側へ入った道を行く。本来はこちら側が商店や旅館がある「目ぬき通り」だったが、現在は海辺の神社参道付近に人は多く歩いている。しかし古い町並みは人が少ないだけではなく、昔の門前町の風情が残っていて散策にはもってこいである。
上の商店を別方向から見る。すでに多くの門前の店は閉じていて(おそらく表参道に移転)町並みは保全されているが、どちらかと言うと現在は住宅地になっている。Zeiss Vario-tessar E16-70mmF4も画面中心近くに太陽を置くと、このように大フレア・ゴーストが出る。そうとうコントラストも落ちてデータ調整をしないと使えない写真となる。T*基準のコーティングもレンズ構成枚数の多くなるズームでは力不足で、むしろ最新の国産無印レンズの方が良い結果かも知れない…もちろんレンズの味は逆光特性だけで決まるものではなく総合力で判断せねばならない。
ごく近所への旅(3時間半)…筆者宅・アトリエ付近は歴史や文化遺産の数多い場所なので、少し回るといくつもの隠れた名所を数時間で旅ができる。今回は車で25分の海住山寺と恭仁神社に行った。
海住山寺の国宝:五重塔を背景にご神木がそびえていた。神仏混淆はまだ残っており、本堂横には立派な稲荷社がある。観光化はしていないがハイキングコースとして有名で、寺としては寺域をハイカーが通り抜け、境内内で弁当を広げたりゴミを捨てたりと迷惑らしい=皆が悪いのではなくマナーのよろしくない人達もいるということである。で今は境内を通り抜けるのに100円支払うことになっている(本堂内へ入るのは+300円)。それでも団体のハイカーが来ると対応できず「飲食お断り」の看板が目立ち、以前あったベンチなどの多くが取りのけられていた…4回目の訪問だが規制がだんだん厳しくなり、参拝者の休憩場所も同時になくなったのである。
恭仁神社へ木津川アートの作品の金属製の狛犬が鎮座している。正月も近く、宮司がひとり準備に大忙しであった。作品は手入れされ、まだ新品のごとく輝いていた。
今回はNikon D700+NIKKOR 24-120mmF3.5-5.6Dというクラシックな取り合わせで撮影した。AWBが最新機種に比べると不安定なぐらいで、あとはなんらの問題もない。特にレンズはカッコよくないが一級品である。写真は望遠端に伸ばしたとき(^_^;)