千畳閣へ

山からの枝尾根に五重塔と千畳閣は建っている。鞍部に茶店があり、その前に樹齢百余年の「龍髯の松」が植えられている...その管理は茶店がしているようだ。見るのに100円徴収となっているが、道の横なので通り抜けながらの鑑賞は問題ない…止まっての撮影や柵の中に入る場合は有料ということなのだろう。

龍髯の松(りゅうぜんのまつ)

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そして五重塔の向こうの「千畳閣」(豊国神社)で一休み…飲食や寝ころぶことは禁じられているが太い柱にもたれて足を投げ出したり、ペットボトルのお茶を飲む程度は許されている。神社と言っても神棚はごく小さく、奉納の絵馬なども天井にあるため、広い板の間といった感じで、毎回訪問時にはここで大休止をとることにしている(入るのに100円)。四方が抜けていて尾根の先端のため、夏でも涼しい風が抜ける。

千畳閣&五重塔&多宝塔 他

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山辺の古径

宮島 小路散策

人で混み合う浜辺の道を避けてすぐに山へ上がる。山辺の古径と言い、筆者の好む高台の道である。観光ブームに乗ってホテルが何軒も改装:建設されている。すぐ右の崖の上は森にはいる。

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長い道のりは、ほぼ等高線に沿って宮島町をぐるりと取り囲むように巡っている。展望はだいたい良くて、間近に千畳閣や五重塔が霊峰・弥山を背景に上から見下ろせる。曇ってはいたが雨には遭わなかった。ここを少し枝尾根沿いに下って千畳閣へ向かう。

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冬至

今日は雨の冬至秘仏開帳の奈良:正暦寺へ参る。霧雨の降る山を借景とした庭、とても写真では表せない美しさと静寂である。

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般若心経が唱えられる中、多くの僧侶が冬至の儀式を執り行っていた。写真は秘仏ではない。久しぶりに写真を離れて奥山の寺の雰囲気を充分味わえた(今日はたったの230カット)。

菩提山真言宗 大本山 正暦寺

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Nikon Z6…どうも少しノーマルでは露出がオーバー気味となる...ここではデータ処理で少し暗くした。またリサイズするとどうも原画の繊細さが失われる。

参道名物

長い参道の商店街には帆布のような厚手の布製の覆いがあちらこちらにある。蛇腹式で不必要な時は屋根に畳んでおく。雨の日はもちろん、炎天下では非常にありがたい。とにかく晴れた日の瀬戸内は暑いのである。

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厳島神社工務所…神社の修理や道具類を造っている神社直属の工房で、その建物は新しくなったが玄関は古いまま使われている。中で電動工具の音がしていた。

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厳島神社

この島の中心の神社のわりには入り口は地味である。海に建っているため参道から下って入場するせいでもある。季節はずれの平日なので参拝人は多くない。むしろここまでの参道に人は溢れていた。左の若い外国人女性とは、このあと島のあちこちで出会った…筆者と同様(6回目の訪問だが、うち4回は二日連続で宮島町の隅々まで歩いている)「慣れ」が感じられ、おそらく何回目かの渡海なのだろう。歩く速度が日本人とはまったく違う(小雨でも傘はささない)。

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筆者はすでに2度神社に詣っているため、今日は別の場所に行くことにした(この日は岩国に行く途中に寄ったので2時間半しか滞在できない)。厳島神社の左には荒胡人神社(あらえびす神社)があり、その裏は豊国神社(千畳閣)と五重塔の建つ丘が見える。この島では階段は少し辛いかも知れないが高い場所に行くことを勧める…色々な景色や寺社・人々に巡り会える。

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厳島上陸

船から下りると、まず広い連絡船待合所の隅にある観光案内所に立ち寄る=ここで観光マップを貰い、風でしばしば止まるロープウェイの状況から宿の情報まで何でも教えてくれる。隣は「売店」で昭和の雰囲気がここには残っている。

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外へ出ると広大な広場の片隅に古い碑が建っている。何度か書いているように、ここは厳島が正しい呼び名で、宮島というのは厳島神社門前町「宮島町」からきている。いつの頃からか(かなり昔)安芸の宮島と呼ばれるようになって、宮島=厳島というより宮島が一般化した。正式な地図表記も「厳島(宮島)」となっている。ここでも鹿は神の使いと大事にされているが、奈良公園と異なり鹿害への対策も比較的厳重になされている。鹿センベイは公式には奈良公園でしか売っていない。筆者も危なく手に持ったガイドマップを食べられそうになった。ここの鹿は奈良公園に比べると体が小さいようだ。

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厳島への連絡船から

厳島への連絡船(フェリー)は松大汽船(どちらかというと広電側)とJRの2社が運行しており、各々15分間隔で発着する=すなわち少し時間をずらして15分に2本出ていることとなる。さすがに日本三景、その便数で平日でも船は満員だ。車は観光客用と言うより旅館や店用の食材や資材を運搬する貨物車がほとんどである(観光ルートはほとんど車は通れない)。東側海岸線は広島から廿日市まで工場が建ち並び、海の環境は必ずしも良くない。名物のカキ筏も見えているが、カキ養殖の中心は厳島の裏側の阿多田島に移っている…そしてカキ養殖では岡山の日生に抜かれている。

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連絡船は島側の桟橋へまっすぐ行かず、少しコースを曲げて厳島神社と大鳥居の正面を見せる…桟橋は左へ徒歩20分のところだ。鳥居の周りには以前はなかった遊覧船が出ていた(1名1200円と少し高いのであまり人は乗っていない)。山の中腹に見える小さな建物が「平松茶屋」山の中の小径にあり観光コースから外れているが(筆者は過去2度立ち寄って景色を楽しむと同時に女将に話を聞いている)山側から厳島神社や鳥居、宮島町の町並みが一望できる場所で、今ここに店を出すことに許可は下りない。おじいさんの代にできたもので、たとえ利益が出なくても続ける覚悟だそうだ。ここでお茶ともみじ饅頭をもらって景色を眺める…これも醍醐味だ。今回は時間的な制約で寄れなかったが次回は必ずここで休憩する。

「平松茶屋」

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瀬戸内へ

週末は3日間で広島-山口へ取材に出かけた=3=3=3 1日目は厳島(宮島)へ、晴れ。平日のため外国人を除いて比較的観光客は少なかった…今回で6回目の上陸、このところ4-5年ばかり来ていない間にだいぶ門前町に変化があり、古くからの旅館は洒落たホテルに、土産物屋はカフェなどに変わっていた。厳島神社の参道の一等地にスターバックスがあったのには驚いた(地味な黒っぽい塗装で一定の配慮はある)。

スターバックス厳島表参道店

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2日目は山口県岩国市の沖にある(船で1時間かかり、どちらかというと愛媛:松山や柳井:周防大島に近い)柱島へ、晴れたり曇ったり。ごらんのとおりかなり小型の連絡船で、乗客より荷物の方が多い。このためか乗船料も片道1800円以上と瀬戸内航路としては高い。荷物はボランティアか請け負いかは分からないが、比較的若い人が各家庭へ(ほとんどが老人世帯)運んでいく。

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今回はSONY α6300+Zeiss Vario-tessar E16-70mmF4だけで撮影したが(なにしろ毎日4-5時間歩くので軽くないとバテる)、やはりα6300で連写を続けるとフリーズする。α6000と同じようなスペックで、撮影の設定も同じにしても1枚あたりのデータの重さは倍近く(エンジンは違う)見かけ上の画質に大きな変化がなくても情報量は増えているようだ。それはいいとしてもデータ量の増加にバッファメモリーの大きさが着いていっていないように思われる。案外α7-III系のデータ保存の不具合(先般から問題になっていてSONYもそれを認めた)も、そういうことなのかも知れない。長時間動画撮影や多量連写は今までの非プロ機ではなかったことだから...。

 

琵琶湖-6

さて今日で琵琶湖の旅は終わり…太郎坊宮の本殿から裏参道を下りる。こちらは新しく開かれた道で石段ではなくコンクリートの階段である。しかも急な坂はしばらくで、この岩の下の一願成就社まで下ればあとは緩やかな坂道だ。ギリギリ湖面は見えないが、水茎の丘の先端部らしい場所は正面に見えている。E-30、相変わらず渋い色である。レンズやセンサーの特性と言うよりAWBの設計でこのようなシーンで茶色さが増すのであろう(たぶん電球色残しと同じこと)。

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太郎坊宮・瓦屋寺をあとに清酒「旭日」の蔵元に寄る…ここはもとの醸造工場を資料館に改修した建物で(もちろん新酒の販売もしていた)まわりの古い町並みも含めて味のある場所であった。ついでに夕陽をまともに画面に入れて、OLYMPUS E-30+ZUIKO 11-22mmF2.8-3.5の逆光テスト…やはり光学性能では一級品だがゴーストは昔風に派手に出る。これも今や貴重な味だと思う。

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フィールドカメラマンノート

 

琵琶湖-5

太郎坊宮・信徒会館前に2016年に建てられた、東近江市青年会議所のユルキャラ「かぁくろう」…烏天狗(鼻高天狗より古いスタイルの天狗)をマスコットとしたものである。神社自体は観光に力を入れているほどではないが、市はそのようなことを考えているようだ。隣の近江八幡市は八幡堀・八幡山・水郷巡り・長命寺安土城跡・ヴォーリスの建築物など観光資源に恵まれていて、たいへんな人出が毎週集まっている…こちらも町村合併のために多くの観光資源となりうる場所があるが、まだ有機的な結合はなされていない。それにしても太郎坊宮にユルキャラは似合っていないと感じる。

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瓦屋寺の本堂は非常に珍しく葦吹きの屋根が特徴である。回廊にも立てかけてある琵琶湖の葦を使っている…他の寺院の本堂とは趣が大きく違い、これだけでも一見の価値がある。日が陰っていたのでハッキリしないが少し早い時間帯に来れば明るい境内である。

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