観光地図にも載らない小さな社(初宮神社=別名:八神神社)が見えてきた。由緒は奈良時代にも遡る古い神社で、見たところ変わった御幣の飾り方である…大きな枝を鳥居の受け金に刺して、葉が枯れても残されている。
更に進むと、古い郵便受けか新聞受けがあった。ひょぃと店を覗くと、今では珍しい古道具屋(骨董品店ではない)がまだ営業していたのである。中にはちゃんとお婆さんが店番をしていた。
古いものばかりではない。やや大きな辻の角に「きたまち案内所」の看板と自転車…電気も点いてここにも人が居る。どうやらこの一帯を総称して「きたまち」と呼ぶらしい(行政上の地図では細かく町名は分かれている)。なんだか昔の交番の跡を改修したように見える(場所柄たぶんそう)。左の高い植え込みの向こうは奈良女子大の校舎である。この辻を右へ(西へ)折れて先へ歩くことにした。