岩船寺 鐘突堂

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三重塔脇を抜けて鐘突堂に立つ…ここで小雨の中スケッチしている人に会った。確かに通り抜けてきたアジサイのトンネルと高台から見る塔は良い景色だ…その景色を撮るのも私の技。

ちょうどこんな感じ、これから塔方向に下りずに左の更に高台に上がる。ウチからなら半日の、都会からでも1日の旅程でこんなところへ来られるのである。離島・木造船の研究と共に晩年に至って、近くへの旅を開始したが、当初はコロナ禍が因となったものの、東京地図を片手に熟読した「東京近郊 一日の行楽」田山花袋を範に、最後のシゴトはコレかなと思うようになった。花袋の本は武蔵野を中心に明治末から大正初期の東京近郊の「近くへの旅」の紀行文だが、その中に地理や歴史や民俗の要素が含まれていて、それから100年以上経った「今」にですら価値を見いだせるものなのである。土地勘のない関東で写真ワークショップを足かけ9年にわたって考えながら撮影地を選んで、歩いてきたのも感慨のひとつになっている。私の住む京都の郡部にも広大重厚な歴史と民俗が積み重なっている…実際には50年にわたって京都や奈良、滋賀などを歩いてきたのだから(目的は違った)できそうなことである。

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