下水処理場と畑

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短い西岸北向きの家並みを過ぎると(それでも営業中の民宿が一軒ある=ここでは自家製の鮒ずしが食べられる)石材採掘場跡へ道が伸びている。途中には島の下水処理場があり、漁師が生業である島民の「ウミを汚すな」の精神が感じられる。先般も書いたように滋賀県で最初に下水化100%を達成したのは沖島なのである。この道も途中で終わっており、島を巡っている訳ではない…しかしこの道沿いがサクラの名所で春になると筆者も毎年やってくる。開花期が年によりまちまちで(気温や日照だけではなく、湖の温度も関係しているため)、3年に1回程度しか本当の満開には立ち会えない…それでも来る。

ここが道の突き当たり、採掘場跡である。山の形が変わるほど掘っている…このあたりも他の場所と同様、元は山がウミに落ち込むような地形だったが、採掘により(良質の石材が採れた)かなり広い平地と段丘が残され、ここを島の女性達が畑として開墾したのである。最初に来た2000年から毎年見ているが、女性達の高齢化にもかかわらず少しずつ畑は広がっている。電柱が立っているのは山の向こうに県の無人水質検査所があるためである。そのおかげで電柱から電気を取ってイノシシの食害防止の電気柵が所々に設けられている。元はイノシシは居なかったが、近年本土からウミを泳いで渡ってきて、繁殖もして被害も増えているそうだ。何しろ島の面積の大半は道もない自然林のため、昼間山に住んでいて夜に畑に降りてくるイノシシの本質的な駆除は至難なのである。

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参考:2014年の満開時の写真…サクラに囲まれて、ほとんど無人の浜で弁当を広げると気分の良いことこのうえなし=筆者は人混みを好まないのである。これはα6000+SONY E18-55mm。...今年のサクラは去年の台風の被害で幹や枝が相当痛んだため、これほどの元気はなかった…快復するのに10年ぐらいかかるかも知れない。もちろん小規模ながら苗木の植林も実施している。

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