Rolleiflex 3.5F Planar

ローライフレックス3.5Fプラナー  (1958-1965)

プラナーのあと、クセノタール付きが1976年まで作られた。

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このモデルは初期のタイプ1と思われる。三台試して一番写りのいい個体を買ったのである=他のカメラを押さえて試したうちでは最も古いものが画質が良かった。基準は周辺までの画質の維持である。開放から中央部は良いのだが、絞りを閉めていくうちに全体が良くなるという性質を持っている。他の二台より半絞り分、周辺の画質向上が早かったということだ。当然ながら露出計も「ほどほど」に動いているし、メカの不調もない(ローライフレックスの場合3.5Fに限らず、完調なものが店には少ない)。ライカと同じでよくできたカメラだが、ライカと異なりハッセルと並んで「壊れるカメラ」である。しかし昔の中判レンズとしては最良のレンズとも言える。むろんクセノタールも風評より上等なレンズだ(ハッキリ云うと互角)。3.5Fのプラナー75mm3台とクセノタール75mmを2台、連続して比較した結果のことである。プラナーが中央部のシャープさが一段上で、その代わり画面の平均値ではクセノタールと互角となる。つまりやや周辺部に難がある(それで周辺の画質の良い個体にこだわった)のである。「アサヒカメラ ニューフェイス診断室 1961/9」のレンズテストにも指摘されている、像面の平坦性の悪さが効いているのだろう。色味や描写はプラナーが重くて、クセノタールが軽い、これは解説本にも指摘されているとおりである。逆光にはかなり弱くてフレアが画面の中心部(!せっかくの中心部の性能がだいなしだ)に出ることがある。これらの癖を飲み込めるなら別だが、私としては一般論として末期のクセノタール付を勧めたい。

f:id:xnagy:20190326221358g:plain左クセノタール、右プラナー。年代の違いでレンズ回りのデザインが異なる。