ローライTグレイ

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仕上げの良さに惚れて友人のコレクション品の新品同様のローライTを無理を言って譲ってもらった。ローライTグレイ(つまり初期型)にはテッサー付しかないため、クスナー付はテストしただけで買わなかった。グレイが欲しかったのである。本来ならベビーローライ(グレイ)が欲しいところだ。 機械としての魅力以外にもダイアン・アーバスアービング・ペンの写真のクレジットに出てくることへの憧れもあった事は認める。写りが同じならなにやら勿体なくて(コレクション用のカメラを実用に供するのは-特に他人の心が乗り移ったものは-勇気がいる)このままコレクションになってしまうのかと思って、元の持ち主に話したら一も二もなく返還することになった。これで良かったと思う。彼はコレクターではないが私以上にローライTに思い入れがあったことが良く分かった。むしろ無理を言って譲って貰ったことに今は反省もしている。私のオートコードへの思い入れも先にも書いたとおり、実は欲しくても買えずにいるうちに生産中止となって、買える身分になった時は一眼レフに関心が移って忘れてしまい、二眼レフの可能性に目を向け始めた最近になって、その昔の記憶が蘇ってきた事を告白しておく。おっと、あまりに個人的な話になった。新しくグレイ・ローライTを買って、さんざんテストして、あちこちを調整して、それでも目を見はる性能は出せない。機械的には完璧だが、結局仕事では使えないレベルである…店と相談して置物として安く買った...本当は近距離ならいいピントが来るので目的を限ることにする。この時代のテッサーはどうも?で、ローライTならシュナイダー・クスナー75mmF3.5付がいいだろう。詳細は稿を改めるが、オートコード3も画質的にはまだ不満である。最初に書いたようにフォーマットの大さによるプリント・印刷効果では35mmを凌ぐが、同じ拡大率では遠く及ばないのである。特に中心部の解像力に不満があり、また絞りによって描写に変化が出て、各収差が補正しきれていないのが素人目にも分かる。特に遠距離の撮影で目立つ。また振り出しに戻ってしまった。