流転の中判カメラ1

*依然として多忙につき…過去に書いたフィルム時代の懐かしいカメラの記事を貼り直した。

今はほとんど過去の遺物に近い状態となってしまった二眼レフの世界をのぞいてみよう。個々のカメラの詳細な評論は別稿にゆずるが、私の撮影の目的に合ったベストな中判カメラの遍歴を序としたい。私は撮影の性質からほとんど35mm判で充分なのだが、印刷効果を考えて中判カメラにも興味をもって長い間色々と試してきた。最初は学生の時(1971)父親が若い頃使っていたリコーフレックス二眼レフがガラクタ入れに転がっていたのを引っぱり出して使ってみた。撮影レンズとビューレンズがギアで直接連結されており両方が回転しながらピントを合わすものである。一応フード、フィルター、革ケースも残っており、写真の勉強を始めた頃一度だけ京都の嵯峨野へ撮影に持って行った記憶がある。ピント板が単なる磨りガラスだったので焦点調節がしにくかったが、レンズやシャッターに問題はなく、モノクロのみの撮影だが結構きれいに写った。

 しかし事件が起こった。何ヶ月かの後またこれを持って撮影に出かけようとすると無いのである。なんと!粗大ゴミの日に母親が出してしまったのである。当時使っていた真新しいミノルタの一眼レフなら当然そんなことはしないのだが、私が物置の隅から出してきた古いカメラは(特に腐りかけたような革ケースに入った)母にはゴミに見えたようである(その母も今は90歳)。せっかくそれまで30年近く残っていた物が私が使うために引っ張り出したせいで一巻の終わりである。当時は腹を立てたものだが、今思うと懐かしい思い出である。このカメラで撮られた幼年期のボクはたくさん写真に残っているのだから…

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記憶ではこのタイプ…現物がないのでネットサイトから借用した。